エタ・デ・リュー (Etats des Lieux)

ベルギーの不動産賃貸では、エタ・デ・リュー (Etats des Lieux) は契約書に次ぐ重要書類です。

入居時のもの (Etats des Lieux d’entrée) と退去時のもの (Etats des Lieux de Sortie) の2種類で1セットになります。

まず、入居時に貸し主、借り主双方が立ち会いのもとで物件の現状を文書にし、双方が合意のサインをします。両者は退去時に再びエタ・デ・リューを行い、賃貸中にできた傷や汚れ、破損をチェックします。この合意文書をもとに貸し主は修繕費用を算出し、入居時に預けた保証金から差し引くことができます。

この作業は不動産業者などの専門家に依頼するか(有料)、貸し主、借り主の双方が合意すれば、当事者のみで行うことができます。

入居時には必ずエタ・デ・リュー (Etats des Lieux) をしましょう。これがなければ、退去時に責任のない傷や破損の修繕まで求められる危険があります。もし、貸し主がエタ・デ・リュー (Etats des Lieux) に応じない場合、または気がついた時にはすでに入居してしまっていた場合は、なるべく早く、写真などを取って現状を記録します。こうしておけば退出時にもめた場合に証拠として使うことがでいます。

退出時のエタ・デ・リュー (Etats des Lieux) 経験談

Aさんの場合:

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退去時、プロの方に掃除をお願いしました(有料)。冷蔵庫や洗濯機の中まできちんと掃除をしてくれてピカピカだったのですが、ベランダが何もやってなくて……。エタ・デ・リューの時に大家さんからそれを指摘され、「今、自分で掃除してくれれば不問にします」と言われ、急きょ家族総出でベランダを掃除しました。今思えば、掃除の方に「ベランダもやってください」とお願いしておけばよかった。

Bさんの場合:

エタ・デ・リューの結果、びっくりするぐらいの請求額でした。
家具付き賃貸だったのです布製のソファーの汚れがひどく、どうしても原状回復できませんでした。
ダイニングの椅子も布部分のシミが全く取れず。 おそらくそれが悪い印象を与えたんだと思います。
カバーをつけて使用すればよかったなあ。

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Cさんの場合:

直接大家さんがやってきてエタ・デ・リューをしました。
台所の棚の上や、窓枠の外側を指で埃チェックしてました。床は台所からリビングへの入り口や、廊下の入り口付近、洗面所から出たところなど、特に汚れそうなところを念入りに見て触っていました。ドアのきしみ具合やノブががちゃがちゃ動いていないか、トイレやシャワーも水を流してみて慎重にチェックしてました。
不動産屋さんではないけれど、物件を何件も貸している人なので、チェックすべきところをきっちり知っていたようです。
結局、壊れとか大きな汚れとかはないけれど、全体に埃が取れきれていなくて、リビング入り口付近の絨毯も油っぽいということで、お掃除の人を一日頼むから、その分の費用をお願いね、とのこと。言われた金額は納得のいくものでした。
でも点検されている間、立ち会っていて怖かったです、黙々とチェックしていたので‥。